乾癬性関節炎を予防できないか


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乾癬性関節炎を予防できないか
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乾癬で皮膚症状はあるのですが、乾癬性関節炎にならないようにすることはできますか。
一般的には、乾癬の皮疹のある人のうち10~20%の人が関節炎を発症します1)が、その中でも、外用剤での治療を受けている人の関節炎発症率は15%程度で、経口薬だと更に発症率が減り、生物学的製剤を使っている人では1~2%の人しか発症していません2)。もしかしたら発症しているけれど、症状が抑えられているという状況なのかもしれません。
乾癬を免疫学的な異常によって起こる病気と考えると、外用剤で外から抑え込むより、体の中から炎症物質(サイトカイン)を抑えるほうが、PsAの発症自体を抑制できるように思います。ただ生物学的製剤やJAK阻害薬は高価なこともあり、皮疹の軽い方は必ずしも使う必要はないと思います。
なお、肥満は関節炎発症のリスクファクターですので、皮疹はあっても関節炎は発症していないという段階で体重を減らすことで、関節炎発症を予防できる可能性があると思います。
- 1)Ohara Y. et al.: J Rheumatol. 2015; 42(8): 1439-1442
- 2) Acosta Felquer ML. et al.: Ann Rheum Dis. 2022; 81(1): 74–79
岡野匡志先生
大阪公立大学 大学院医学研究科
高齢者運動器変性疾患制御寄附講座 特任教授

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