乾癬だと飲酒をしないほうが良いか
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乾癬だと飲酒を
しないほうが良いか
- #生活習慣
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お酒が好きです。お酒は乾癬に良くないと聞きましたが、やめたほうが良いのでしょうか?
お酒はできればやめるに越したことはありませんが、それで過度なストレスになるようであれば、少量にする、あるいはお酒の質を考えましょう。過度の飲酒は乾癬皮疹を増悪させるほか、治療効果にも大きく影響することが知られています。ただし、飲酒と乾癬発症には有意な関係はみられないとの報告1)もあることから、ストレス発散のための適度な飲酒までも制限する必要はないと考えられます。つまり、適切なアルコール摂取が重要となります。乾癬は生活習慣病との関連も指摘されており、アルコールの飲み方の参考となります。厚生労働省によると「通常のアルコール代謝能を有する日本人においては、節度ある適度な飲酒として1日平均純アルコールで20g程度」としています。「純アルコールで20g程度」は、ビール中ビン1本もしくは日本酒1合または酎ハイ350 mL缶1本、さらにウイスキーダブル1杯相当と考えると良いでしょう。また、女性は男性に比べて臓器障害を起こしやすいため、女性の飲酒量は男性の約7割程度にすると良いでしょう。最近では、ビールや発泡酒においても糖質やプリン体が少ない製品が容易に手に入りますので、上手に利用しましょう。なお、禁酒が必須の薬剤もありますので、気になる方は主治医に相談しましょう。
- 1)Qureshi AA, et al.: Arch Dermatol. 2010; 146(12): 1364-1369
安部正敏先生
医療法人社団 廣仁会
札幌皮膚科クリニック 院長