妊娠で乾癬の治療に対する考え方に変化

妊娠で乾癬の治療に対する考え方に変化

青年・壮年期

妊娠で乾癬の治療に対する
考え方に変化

  • #妊娠・出産
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妊娠を考えています。生物学的製剤などの乾癬の治療が、生まれてくる子どもに悪影響がないか気になっています。出産までの間、治療法を変えることは可能でしょうか。また、主治医にそういう相談をしても良いものでしょうか。

乾癬の治療を続けながらの妊娠は、不安も大きいことでしょう。ぜひ、主治医に相談されるのがよろしいと思います。その際は、自分が不安に思っていることを洗い出し、事前にメモなどを準備していくことをおすすめします。それ以外には、厚生労働省の「妊娠と薬」というウェブサイトを利用するのもおすすめです。また、「妊娠と薬情報センター」が、厚生労働省事業として国立成育医療研究センター内に設置されており、ホームページには、妊娠・授乳中のお薬の服用に関するさまざまな情報が掲載されています。希望すれば、オンラインまたは全国の拠点病院で直接相談することもできます。信頼できる情報源を上手に活用して、妊娠から出産まで、薬や治療について、なるべく不安なく過ごしてほしいと思います。

ななさん

40代 / 女性 / 乾癬歴30年

まず、乾癬があっても妊娠することは可能です。ただし乾癬は全身性の炎症性疾患なので、乾癬のコントロールができないと妊娠の維持がしづらくなる可能性があります。したがって、乾癬治療は積極的に行ったほうが良いでしょう。なお、生物学的製剤を含めて薬物治療においては、治療上のメリットとデメリットを慎重に判断し投与を検討します。また、飲み薬の中には妊娠の前からやめておかなければならないものがあります。飲んだ薬の成分が血液に取り込まれ、胎盤や血液を介して胎児にも薬の成分が届き、影響が出る可能性があるからです。そういう薬は通常、妊娠の可能性がある女性に処方されることはありませんが、念のため、妊娠を計画した時点で早めに主治医に相談してください。

山口由衣先生

横浜市立大学大学院医学研究科
環境免疫病態皮膚科学 主任教授