乾癬の塗り薬を毎日塗るのが面倒です
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乾癬の塗り薬を
毎日塗るのが面倒です
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乾癬を塗り薬で治療していますが、毎日塗るのが苦痛です。時々塗るのを省略しても、今のところあまり症状には影響が出ていませんが、大丈夫でしょうか。また、薬以外の治療方法がないか、主治医に相談しても良いものでしょうか。
塗り薬って本当に面倒くさいですよね。実際、たまにサボってしまうことがあるという人も多いのではないでしょうか。でも自己判断で薬をやめてしまうと、結果的に乾癬が治りにくくなったり、悪くなったりするかもしれません。塗り薬以外には、内服薬や注射薬、光線療法など塗り薬以外の治療方法もあるので、毎日塗るのが大変であればそういった治療法への変更について主治医の先生に相談してみてはいかがでしょうか。もし食事や日常生活の工夫などといったことであれば、薬以外の治療については、あくまで薬の補助的なものとして考えたほうが良いと思います。
リュウ
50代 / 男性 / 乾癬歴20年
塗り薬による治療において最も大切なことは、やはり“塗り続ける”ことといえます。使用している塗り薬の種類にもよりますが、活性型ビタミンD3外用剤は効果が出るまで少々時間がかかるものの、いったん効果がみられると悪くなりにくいという特徴があります1)。逆にステロイド外用剤は、効果が出るのは早いものの、塗るのをサボると皮疹がぶり返しやすいという傾向がみられます。そして、両者の配合薬はお互いの長所と短所を補い合う形となり、効果はある程度早く、悪くもなりにくいという特徴があります。毎日塗るのは大変でしょうから、症状が落ち着いているようであれば、時々省略しても悪くなりにくい活性型ビタミンD3外用剤の併用、もしくは配合薬をおすすめします。また、毎日塗ることは大切なことですが、皮疹が悪化しないようであれば、塗り方についても主治医の先生に相談してみてください。補足として、活性型ビタミンD3にはステロイドの副作用である皮膚萎縮に対する抑制作用もあり1)、塗り薬を長期的に使用する際の安全性にも一役買っていると思われることもお伝えします。もちろん、塗り薬以外の治療方法がないかのご相談も、主治医の先生にしてみられてよいと思います。
- 1)飯塚一: 乾癬とビタミンD. ビタミンD-基礎と臨床-VI 臨床.
THE BONE. 2011; 25(3): 291-294.
遠藤幸紀先生
東京慈恵会医科大学附属柏病院
皮膚科 診療部長