乾癬だと喫煙はしないほうがよいか

乾癬だと喫煙はしないほうがよいか

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乾癬だと喫煙は
しないほうがよいか

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乾癬と診断されています。タバコが好きで毎日吸っていますが、このまま喫煙を続けても大丈夫でしょうか?

大丈夫ではありません。喫煙は乾癬発症に関係するとともに、乾癬を悪化させる因子であることが知られています。さらに生物学的製剤などの治療効果を減弱することが知られています。海外の報告1)では、乾癬発症に関して、喫煙開始年齢や1日の喫煙量および生涯の喫煙量が関係することが明らかとなりました。「WHO世界ノータバコデー2021“禁煙に取り組もう”」には、タバコをやめるべき103のさまざまな理由が紹介されていますが、乾癬はその7項目に“タバコにより乾癬発症が増える”ことが明記されています。最近、乾癬は皮膚のみではなく生活習慣病などとも関連があり、全身性の炎症性疾患と認識されています。喫煙は皮膚のみならず全身に影響し生活習慣病なども悪化させることが明らかであることから、乾癬でなくとも喫煙はやめたほうがいいでしょう。ちなみに、乾癬の類縁疾患である掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)は、ほぼ100%喫煙者に発症することが明らかとなっています。また、受動喫煙の問題にも十分注意が必要で、非喫煙患者さんも十分タバコの害には気を付けましょう。

安部正敏先生

医療法人社団 廣仁会
札幌皮膚科クリニック 院長