乾癬性関節炎はどの部位に発症するのか

乾癬性関節炎はどの部位に発症するのか

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乾癬性関節炎は
どの部位に発症するのか

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乾癬性関節炎を発症した場合、体のどこに症状が出るのでしょうか。また、関節リウマチとの違いはありますか。

乾癬性関節炎(PsA)が発症しやすいのは、腱の付着部(筋肉と骨をつなぐ腱が骨に付着している箇所)と言われる部位、たとえばアキレス腱、肘の外側、膝のお皿の周りなどです。しかし体のすべての部位において、発症する可能性があります。末梢部位(手足の関節)に炎症が起こる割合が高いとされていますが、体軸(背骨、骨盤(仙腸関節))にも発症することがあり、その合併も従来考えられていたより多い(末梢病変の3~5割)という報告1)がありますので、全身のあらゆる部位で痛みが生じる可能性が考えられます。
炎症による痛みは波があり、痛くなったり、痛みを感じなくなったりをくり返す人もいれば、常に炎症があり痛みを感じている人もいます。
関節リウマチとの違いは、関節リウマチでは手の指の第1関節は罹患しないとされているのに対し、PsAでは逆に、第1関節の罹患が比較的多いことが挙げられます。また、関節リウマチの罹患部位は一般的に左右対称の症状が認められることが多いですが、PsAは片側性(体の片側だけ)のことが多いです。

  • 1)Ohara Y. et al.: J Rheumatol. 2015; 42(8): 1439-1442

岡野匡志先生

大阪公立大学 大学院医学研究科
高齢者運動器変性疾患制御寄附講座 特任教授

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