治療の先送りの影響
青年・壮年期
治療の先送りの影響
- #乾癬とは
数年前に乾癬と診断されました。皮膚症状(皮疹)の面積も小さく、なんとなく自然に治るのではないかと、特に治療をせずにいました。けれども、最近、急に皮疹の範囲が広がってきて不安になっています。治療をせずにいたのが良くなかったのでしょうか。
実は私も、皮膚の症状に気付いてから皮膚科を受診するまで2年近く放置していました。ずいぶん広がってから慌てて受診し、乾癬と診断されました。症状が広がらないうちに治療を始めていれば、もしかするとこんなにひどくはならなかったのかもしれませんが、今となっては仕方がありません。もしも皮疹が広がってきているのでしたら、早いうちに皮膚科を受診するようおすすめしたいと思います。
リュウ
50代 / 男性 / 乾癬歴20年
乾癬の病状は、患者さん一人ひとり本当にさまざまです。皮疹の面積が体表面積の1~2%程度で、外用薬治療で改善と再燃を繰り返している患者さんもおられる一方で、発症時からとても広範囲に皮疹がある患者さんもおられます。一般的に、治療を全くせずにいると、病勢としては増悪(ぞうあく)する可能性はあると思います。しかし悪化する要因もさまざまあることが知られており、睡眠不足、脂肪分の多い食事、飲酒、喫煙などの生活習慣もその要因として挙げられます。これらの悪化要因に心当たりがある場合には、習慣の改善により皮膚症状も改善する可能性があります。しかし、悪化要因の改善のみで皮膚症状が必ず改善するとはいえません。やはり皮膚科に受診されて、まずは適切な治療を受けていただいたほうが良いと思います。
山口道也先生
山口大学大学院医学系研究科
皮膚科学講座
山口大学医学部附属病院
医療の質・安全管理部 副部長