子どもが乾癬と診断された
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子どもが乾癬と診断された
- #乾癬とは
- #将来の不安
子ども(小学生)の皮膚に湿疹ができたので皮膚科に行ったところ、乾癬と診断されました。一生付き合っていかなければならない病気だとも言われ、ショックを受けています。一生というのは本当でしょうか。治療費はいくらかかるのでしょうか。子どもの人生は、将来はどうなるのかと、不安でいっぱいです。
小学生のお子さんが乾癬と診断され、一生付き合っていかなければならないと言われた時のお母さまのお気持ち…お察しします。自分のことならまだしも、自分の子どものこととなると、先々のことを考え不安や心配になるのも当然のことだと思います。ですが、乾癬の治療は5年前・10年前と比べると新しい治療方法も増えて、大きく変化しています。そして、この先も病気の機序や治療に関しても変化していくので、お子さんの成長に合わせ、公的な医療支援なども受けつつ、経済状況も考慮して、「その時にできる最善のこと」を主治医と相談して治療していくことをおすすめします。乾癬とは長い付き合いになってしまう現実を受け入れるのは、本人もお母さまもつらいと思いますが、乾癬があっても人生を謳歌している患者さんはたくさんいます。 お子さんも、乾癬があることでつらい時があるかもしれません。お母さまには、そんなお子さんをまるごと受け止めて「お母さんはいつでも味方だよ」という気持ちで伝えていただけたらと思います。そうすればお子さんも安心できると思います。お母さまご自身が悩んで苦しい時は、ぜひ患者会に参加して、相談してみてください。
もこさん
50代 / 女性 / 乾癬歴30年
このたびは大変不安な思いをされていることと思います。小児期に発症した乾癬は軽症であることが多く、そのためアトピー性皮膚炎などの湿疹性病変と鑑別が難しいことが多いとされています。診断に関しては、局所麻酔が伴い子どもさんには恐怖感があると思いますが、皮膚生検が望ましいです。最近ではダーモスコピーという拡大鏡を用いた診断を行うこともあります。これらの検査が行われておらず視診のみの診断であれば、乾癬という診断が正しいのかどうかを再度検討されても良いと思います。また、皮膚症状のタイプとしては、大人と比べて、滴状乾癬という小型の皮疹が散在する病型が多いのが特徴です。滴状乾癬は、溶連菌という細菌感染症との関連が知られており、扁桃炎などが合併している場合には、その治療によって改善する場合もあります。治療については、塗り薬、飲み薬、紫外線治療などが主流でしたが、生物学的製剤も使用できるようになりました。治療費については、それぞれで異なりますが、自治体による小児医療費助成などの適応にもなりますので、病院窓口などでご相談いただければと思います。将来についても大変ご心配されていることと思いますが、適切な治療を受け、乾癬であっても多くの方が、乾癬でない方と変わらない人生を歩んでいただけることと信じております。
山口道也先生
山口大学大学院医学系研究科 皮膚科学講座
山口大学医学部附属病院 医療の質・安全管理部 副部長