乾癬性関節炎による痛みの伝え方


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乾癬性関節炎による
痛みの伝え方
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乾癬性関節炎を、医師にどのように訴えればよいのでしょうか。
痛みには、「強さ」と「質」があります。痛みの「強さ」は、たとえばVisual Analog Scale(ビジュアル・アナログ・スケール)というツールを使って10段階で評価します1)。また、痛みの「質」には、「炎症による痛み」「関節がすでに変形したり破壊されたりしたために動かすと出る痛み」があります2)。
医師に痛みを伝える時には、痛みの強さを10段階で表すとともに、どんな時に痛いのか(痛みの「質」の判断材料になる)を具体的に伝えると良いでしょう。薬の処方においては、炎症による痛みであれば炎症を抑える薬、関節の変形・破壊による痛みの場合は消炎鎮痛剤というように、「質」によって使い分けをするからです。慢性的な痛みでは、神経障害性疼痛(神経に起因する痛み。関節炎とは別の症状でしびれを伴う)の要素が入ってくることもありますので、神経痛に効く薬で痛みが緩和される場合もあります。
痛みは人それぞれで、薬も合う・合わないがあるので、いろいろ試すことが大事です。いろいろ試しながら、患者さん本人が効果を実感でき、納得できる治療を受けていただくのが良いと思います。ただし、こうした疼痛緩和のための治療は、ベースとなる乾癬の治療をしっかり受けたうえで行うことが重要です。
- 1)日本皮膚科学会乾癬性関節炎診療ガイドライン作成委員会. 日皮会誌. 2019; 129(13): 2675-2733
- 2) Hall BE. et al: Sci Rep. 2024; 14(1): 25893
岡野匡志先生
大阪公立大学 大学院医学研究科
高齢者運動器変性疾患制御寄附講座 特任教授

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