乾癬患者が妊娠時に気を付けること
青年・壮年期
乾癬患者が妊娠時に
気を付けること
- #妊娠・出産
妊娠したら、何に気を付けないといけないですか。産婦人科の先生は、乾癬のことをどのくらい知っているのでしょうか。気になりますが、聞くことができません。
妊娠による乾癬の症状への影響は乾癬の病型によっても異なり、「乾癬患者さんの55%が妊娠すると乾癬が良くなり、変わらない方が21%、悪くなった方が23%」という報告があります1)。しかし、妊娠による影響はとても個人差があります。大切なことは、日常生活において無理をせず、乾癬の症状を上手にコントロールするために必要な治療やスキンケアを続けるなど、皮膚を良い状態に保つといった対応をいつも通りしていただくことです。妊娠すると、入浴がままならなくなったり、軟膏を塗ったりするのも大変になったりしますが、乾癬の状態を良くする努力を続けることが大事です。
産婦人科の先生が乾癬について詳しく知っている可能性は必ずしも高くありませんが、皮膚科の主治医と産婦人科の先生で連携を取っていただけるはずです。さらに、患者さんご自身が産婦人科の先生と積極的に会話をすることで、理解もより深まるのではないでしょうか。産婦人科の先生は、妊娠中や授乳中の薬剤について専門家です。使用されている薬の情報を全部お伝えすることで、いろいろな注意点を教えていただけると思います。
- 1)Murase JE et al.: Arch. Dermatol. 2005; 141(5): 601–606.
山口由衣先生
横浜市立大学大学院医学研究科
環境免疫病態皮膚科学 主任教授