乾癬の塗り薬を子どもがなめても大丈夫か

乾癬の塗り薬を子どもがなめても大丈夫か

青年・壮年期

乾癬の塗り薬を子どもが
なめても大丈夫か

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子育て中です。乾癬の治療として塗り薬を使っているのですが、子どもにその塗り薬が付いてしまったり、皮膚に塗った薬を子どもがなめてしまったりすることを心配しています。もし、そのようなことが起きた場合、子どもに何か影響はあるものでしょうか。

乳幼児が、湿疹などに使用する軟膏や、化粧品のクリームをなめた、または口紅などを食べてしまったといった事故(?)は少なくありません。こういったことは少量であれば特に問題なく、そのまま経過を観察するだけで良いと思われます。乾癬の治療薬だけでなく、アトピー性皮膚炎、虫刺されなどでも使用する軟膏の成分のそのほとんどはワセリンです。そしてそのワセリンの大部分はイソパラフィン、シクロパラフィンといったパラフィンからなっていますが、ヒトはパラフィンを分解する消化酵素を持っておりません。ですので、消化ができずそのまま便として排泄されます(以前クレヨンを誤って食べてしまった乳児の便にはクレヨンがそのまま混じっていたそうです)。乳幼児は、何にでも興味を持ち、それらを口に入れて確かめようとします。手に付着してしまった軟膏をなめるといった程度であれば大きな問題はありません。ただしなめた軟膏が口の周りに残っていたり、手に付いたりしていたら、再び口に入ることがないようきれいに拭き取ってあげましょう。

遠藤幸紀先生

東京慈恵会医科大学附属柏病院
皮膚科 診療部長