女性であることと乾癬の関係

女性ホルモンのうち、エストロゲンが乾癬と関係しているのではないかとする報告が複数あります^1）。具体的には、エストロゲンが乾癬の炎症を抑制する方向に働くので、エストロゲンの血中濃度が上がる妊娠中は乾癬が改善することが多いとされています。また、女性であれば、月経、授乳時、閉経後などにこうした女性ホルモンの分泌量が変動するので、乾癬の病勢がその影響を受けて改善したり悪化したりする可能性も指摘されています。一方で、妊娠中に乾癬が増悪するなど、エストロゲンの血中濃度と逆に乾癬の病勢が動くこともあります。こういったことから、女性ホルモンによる影響はあるものの、全員が同じように影響を受けるとはいえないようです。

多田弥生先生

帝京大学医学部
皮膚科学講座 主任教授