乾癬性関節炎の症状の訴え方について

乾癬性関節炎の症状の訴え方について

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乾癬性関節炎の
症状の訴え方について

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乾癬性関節炎と診断されました。症状をうまく伝えることができません。

乾癬性関節炎(PsA)は患者さんによって症状が多彩です。患者さんごとに異なる乾癬性関節炎の治療において、PsAに詳しい医師が参考にしているのは、海外のGRAPPA(グラッパ:乾癬および乾癬性関節炎の研究と評価のためのグループ)という研究グループが提唱している治療方針1)2)です。この治療方針では、末梢の関節、体軸の関節、腱の付着部、指炎といった症状や部位(ドメイン)を細かく分類して、「このドメインにはこの治療が良い」と推奨しています。たとえば末梢関節の薬物療法では、(1)消炎鎮痛剤、(2)抗リウマチ薬、(3)生物学的製剤やJAK阻害薬の順に推奨されているのですが、体軸の場合は、(1)消炎鎮痛剤、(2)生物学的製剤やJAK阻害薬と、違いがあります1)。この治療方針に則った診断をするためには、患者さんの訴えが重要になります。そのため、診察を受ける時は、PsAに関係あるかないかを自分で判断せず、気になる症状や部位をすべて伝えるようにしてください。

  • 1)Coates LC. et al.: Nature Reviews Rheumatology. 2022; 18(8): 465-479
  • 2)日本皮膚科学会乾癬性関節炎診療ガイドライン作成委員会. 日皮会誌. 2019; 129(13): 2675-2733

岡野匡志先生

大阪公立大学 大学院医学研究科
高齢者運動器変性疾患制御寄附講座 特任教授

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