乾癬性関節炎になった場合の治療費

乾癬性関節炎になった場合の治療費

全般

乾癬性関節炎に
なった場合の治療費

  • #関節炎
  • #治療費

乾癬性関節炎になったら、これまでの乾癬の治療から治療内容や治療費はどう変わるのでしょうか。

乾癬性関節炎では、症状が進行して骨破壊による変形が起きると、残念ながら元に戻すことができません。症状にもよりますが、痛みが強かったり腫れや変形などの兆しがみられる場合には、進行を止める治療が必要です。そして、その場合、生物学的製剤を選択するケースが多くなると思われます。 治療費については、治療内容により異なりますが、生物学的製剤の使用を開始するのであれば、1年目は特に大幅に増えると思います(2年目からは少し減額することが可能と思います)。最初の1年は、年間30万円を超える自己負担額が発生し、2年目からは、18万円弱(月額1万5000円弱)での治療が可能になります(年齢69歳以下、年収370 ~770万円の場合。2023年10月時点。年齢および年収などの条件により金額は異なります。また制度の改訂により金額は変更となります)。症状や乾癬以外の既往歴によっても治療の選択肢と費用が変わる場合があるため、主治医の先生に相談されることをおすすめします。

そら

50代 / 男性 / 乾癬歴40年

乾癬の皮疹に対しては、塗り薬や紫外線を当てる治療が主体になります。そして、それらの治療だけで皮疹をコントロールできている方が多くいます。乾癬性関節炎を合併した場合は、湿布などの局所の痛みをとる治療も行われますが、多くの場合、飲み薬や注射薬などの全身に作用する治療が必要になります。それは、ただ痛みをとるだけではなく、全身の炎症を抑え、関節の破壊を食い止めるためです。飲み薬としては関節リウマチでも使われる薬や免疫抑制剤、免疫を調整する薬があります。また生物学的製剤と言われる注射薬も使われます。治療費は使う薬剤によって異なりますが、生物学的製剤は高額な薬剤のため、保険の種類や収入によっても支払う額が変わってきます。現在は、マイナンバーカードを保険証として登録することで、受診している病院でも保険の自己負担限度額を確認できるようになりました。どれくらいの治療費がかかるのか、かかりつけの病院で聞いてみてください。

安田正人先生

群馬大学大学院医学系研究科
皮膚科学 准教授